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『西部戦線異状なし』を観る|「ただそこにある」戦争の静けさ【感想】

戦争映画というジャンルには、多くの場合「劇的な構成」が伴う。英雄的な行為、劇的な逆転、悲痛な叫び――それらは観客の感情を強く揺さぶり、起承転結のある物語として消化される。しかし『西部戦線異状なし』は、そのような演出を意図的に排している。ふる...
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『具体と抽象』を読む|学びの記録【感想】

具体と抽象を同じ粒度で捉えていた「具体と抽象を行き来することが大事」だと読んで気付いた。これまで自分は、具体と抽象を同じ粒度で扱っていた。例えば歴史を学ぶとき、用語を覚えること、全体の構造を理解することを、同じレベルで「一度に覚えよう」とし...
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『センスの哲学』を読む|アイデンティティは意味の外側に【感想】

何においてもセンスが求められ、センスの良し悪しで人がカテゴライズされがちな今、そもそも「センスとは何か」を少しでも知りたくて、千葉雅也さんの『センスの哲学』を手に取りました。「意味」に縛られる鑑賞体験最近、漫画や映画を「即物的に」見ることが...
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『むらさきのスカートの女』を読む|他者と自我のあいだにあるもの【考察】

今村夏子『むらさきのスカートの女』は、2019年に芥川賞を受賞した小説です。「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性を観察する、語り手「黄色いカーディガンの女」の視点から描かれる、不穏で静かな物語です。私たちは「むらさきのスカートの女」であ...
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「美術の制度化」はいつ始まったのか――奈良の大仏と造東大寺司の考察

最近、日本美術史の本を読み始めたのですが、読み進める中で思いがけず心に残るテーマやモチーフに出会うことが増えてきました。せっかくなので、そうした印象に残ったことや、気になって自分で調べてみたことを、少しずつここにまとめていこうと思います。今...